論旨解雇の勧告は懲戒処分の一つで、懲戒解雇に当たるようなミス・非違行為をした従業員に自ら退職届を出すようにして、退職させることです。これは就業規則に定められている場合だけ行うことができ、対象の従業員が反省しているなどの情状を勘案して、懲戒解雇がされる場合の退職不支給・履歴書の重要な賞罰経歴などの不利益を避けるための制度です。
これは使用者側にしても、不当解雇などのトラブルになる可能性のある懲戒解雇より、本人に退職をしてもらった方がリスクの軽減される長所があります。解雇の形をとっていないことから、解雇予告手当の支払いも求められません。
この事例のようなケースでは、論旨解雇に関する就業規則の定めがどのようにされているかがポイントです。「勧告から三日内に退職届を出さないとき、懲戒解雇に変更する」などの退職届の提出時期や方法をきちんと定めておいた場合は、懲戒解雇に変えることが可能となります。このような事項が無ければ、懲戒解雇は難しくなります。
また、従業員が違反行為をした月に給料を削減する制裁をし、次の月になお降格処分を行うなど、懲戒処分を一度行った件に対し、また懲戒処分を行うことが不可能です。一つの行為に対する制裁は、一つに限られます。