マイナンバー法で、マイナンバーを用いることができる事務は限定的に規定されていますが、統一的な書式や次の業務で行うことの前処理と解される給与支払報告書や退職所得の特別徴収票、扶養控除等申告書などでマイナンバーを取得することは、源泉徴収票作成事務に含まれるといえます。重要なのは、業務フローに沿って利用目的を限ることです。詳細に列挙する必要はないと思われます。
個人情報保護委員会ホームページ「マイナンバーについて ガイドライン Q&A(回答) Q1-2及びQ1-2-2」には、おおむね次のように記されています。
○利用目的の特定の事例として源泉徴収票作成事務が記されていますが、源泉徴収票作成事務には給与支払報告書や退職所得の特別徴収票も含まれると考えていいでしょうか?
→給与支払報告書や退職所得の特別徴収票は、源泉徴収票と共に統一的な書式で作成することになりますので、源泉徴収票作成事務に含まれるものと解されます。
○扶養控除等申告書に記されているマイナンバーを、源泉徴収票作成事務に用いることは可能でしょうか?
→扶養控除等申告書に記されたマイナンバーを取得するに当たって、源泉徴収票作成事務がその利用目的として含まれていると考えられますので、マイナンバーを源泉徴収票作成事務に用いることは利用目的の範囲内の利用として認められます。(平成27年4月追加)
ちなみに、所得税を給与や報酬より控除する場合は源泉徴収と呼ばれ、個人の住民税の場合は特別徴収と呼ばれます。また、健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料、雇用保険料等の場合は徴収といいます。総括して天引きともいいます。