労務管理について

1年間に1回だけ会議に参加する外部の研究者に謝金を支払う際にも、マイナンバーカードの写しを提出してもらうべきでしょうか?

源泉徴収票や支払調書を作成するためにマイナンバーを記すことは、法令により規定された義務です。そのことを取扱担当者や責任者は熟知した上で、従業員や講演料等の支払先等に説明する必要があります。

内閣官房ホームページ「マイナンバー社会保障・税番号制度 よくある質問(FAQ) Q4-2-5」には、おおむね次のように記されています。
社会保障や税の関係書類へのマイナンバーの記載に当たって、事業者は従業員等よりマイナンバーを取得しなければなりませんが、その際、従業員等がマイナンバーの提供を拒んだら、どうすべきでしょうか?
→社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記すのは、法令により規定された義務であることを周知し、提供を求める必要があります。
それでも提供を受けられないならば、書類の提出先の機関の指示に従うこととなります。

 また、個人情報保護委員会ホームページ「マイナンバーについて ガイドライン Q&A(回答) Q4-6」には、おおむね次のように記されています。
 従業員や講演料等の支払先等よりマイナンバーの提供を受けられないならば、どのように対応すべきでしょうか?
→法定調書の作成などの際に、従業員等よりマイナンバーの提供を受けられなくても、安易に法定調書等にマイナンバーを記さずに税務署等に書類を提出するのではなく、従業員等に対してマイナンバーの記載は、法律(国税通則法、所得税法等)により規定された義務であることを伝え、提供を求める必要があります。
それでもなお、提供を受けられないならば、提供を求めた経過等を記録して保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておきます。経過等の記録がない場合には、マイナンバーの提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが分かりません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録が重要です。
なお、税務署では、マイナンバー制度導入直後の混乱を避ける観点などを考慮し、法人番号・マイナンバーが記されていなくても書類を収受することとしています(国税庁ホームページ「法定調書に関するFAQ Q1-2」参照)。(平成28年4月更新)

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