結論から言うと、傷病手当金の存在を考慮すべきです。
これは、就業員がプライバシー上の傷病で就労することができなくなった場合、その間の生活保障として国が支払うものです。これを受けるための条件は、下記の通りになります。
(1)賃金の支払いがない場合
(2)3日間連続して出社していないこと
(3)前の職務を行うことができない状態になっていること
(4)業務外の病気やケガの療養を目的としていること
出社しなくなった最初の3日間は、待期期間で手当の支払いはありませんが、その4日目からは1日につき標準報酬日額(給与を一定幅に分けた標準報酬月額の1/30)の2/3相当額が支払われます。
上の条件の(1)の通り、会社からの賃金の支払いが無ければ傷病手当が支払われますが、通常給与の減額がされずそのまま支払われる場合は国からの支払いはされません。もし、通常給与の2/3未満の賃金が支払われると、その差額が傷病手当金として支払われます。つまり、給与と傷病手当の合計が通常給与の2/3になるように調整されます。
傷病手当は非課税対象になるので、会社側としては傷病手当金を活用した方が有利であると言えます。
傷病手当は、同じけがや病気に対して支払い始めた日から計算して1年6カ月までが支給制限となります。
休職期間が終わって退職をやめなくするなどの場合も、社会保険加入期間が1年以上であれば1年6カ月に到達するまで引き続けて支払いが受けられます。
ちなみに、休職期間中の給与の支払いは会社の恩恵的な制度であるため、支払いに関しては各会社の事情によって独自で決めることが可能です。