事前に了解を得ていない欠勤をする従業員に対して解雇を行うとき、就業規則の懲戒解雇の事由の中に「無断欠勤が14日以上継続されているとき」などの定めを行えば、この規定に基づいて懲戒解雇が可能となります。しかし、この場合も社会通念性と客観的な妥当性が問われることから、個別の詳しい事案に関し、あらゆる要素を総合的に考慮されます。
従業員側に責任を取らせる方法が懲戒解雇なので、解雇予告手当などは求められませんが、「解雇予告除外認定」の手続きを労働基準監督署で行わなければなりません。認定がされる基準は、「適切な理由なく2週間以上無断で欠勤し、出勤の催促にも出なかった」が原則です。すなわち、無断出勤の機関が1か月くらいであったら、認定を受ける可能性が高くなります。
なお、行方不明になった従業員は、原則的に解雇が不可能です。解雇は、その意思を示す相手側に届かなければ効力がないからです。裁判所から掲示される「公示送達((民事訴訟法第110条以下:民事訴訟法上の送達の一つで、相手方の住所が把握できていないとき、裁判所から公示送達を申し立てます。裁判所の掲示と官報への掲載をしてもらい、一定の期間が過ぎた後に相手方に届いたものと同様の扱いをします)」などの方法もありますが、その費やされる時間と努力を考えると、一般的な方法であるとは言えません。これを受け、就業規則に懲戒解雇以外に退職の事由にも「無断欠勤が14日以上継続されていて、会社側の連絡も取れないとき」と定めとおくと、自然に退職にすることができます。解雇ではないので、解雇予告や予告手当も求められません。