休職制度は各会社が決めるものであり、これに従って復職の判断も会社が行います。多くの場合、復職に対する詳細はその会社の就業規則に定めていますが、こ れまで従事していた職務が差支えなくできるまで回復がされていることが、原則的に復職の要件となっています。しかし、休職の期間が終わった時点では軽作業 が可能で、それからこれまれの職務に履行することが可能な程度に回復していれば、会社側は退職を猶予し、用紙を見守らなければならないとした過去の裁判例 があります。(北産機工事件/1999.9.21/札幌地裁:直ちに100%の稼働ができなくても、職務に従事しながら、2,3か月程度の期間を見ることによって完全に復職することが可能であったと推認することができるから、原告を休職期間満了として退職とした取り扱いは無効)
もし、特定職務に従事することが条件となっている労働契約の場合、ほかの職種への転換を行うまでの義務はないと思われています。
この事例では、完治ができなくとも可能な職務をさせるか、休職期間の延長などの手段が適切であるといえます。休職期間を延長することに関しては、「会社の都合で休職の期間を6か月まで延長する場合がある」などと就業規則などに定めておくといいです。
また、ほかの軽作業をさせたり、労働時間の短縮をするときは、その職務や労働時間に合わせて給与を下げることもできます。
また、就業している期間は、リハビリ出勤や短時間の勤務であっても、傷病手当の支給は提示されます。これに関しても、従業員に説明しておく必要があります。
* 年次有給休暇とは、労働者の福祉の向上・健康の増進や維持、疲労回復を目的として、就労の義務がある日に対し、その義務を免れさせる制度です。なので、休 職中は、このような年休の請求をしても、会社側がそれにこたえる義務がありません。これに関して、下記のような通達があります。
1956年2月13日 基収第489号: 休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務を免除されることとなる場合において、休 職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地のないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請 求権の行使ができないと解する。
年休の出勤率は、下記のような計算式で算出されます。
出勤した日÷全労働日=出勤率
*全労働日からは、下記のような日が除かれます。
(1)使用者の責任になる事由から起因する休業日
(2)出勤した休日
(3)正当なストライキなどで労働を行わなかった日
*なお、下記のような日は出勤したものと同様の扱いになります。
(1)年休を得た日
(2)産前産後の休業の期間
(3)実務上の傷病を負って療養を目的にした休業期間
(4)育児・介護休業法に従う育児休業・介護休業