労働基準について

契約社員を雇いましたが、態度不良で契約期間が残っているのにもかかわらず解雇させようと思います。この場合、この従業員にはどのような支払いをすればいいのでしょうか。

決められた期間で雇っている時、その期間の途中には解約が不可能であることとされています。しかし、契約期間の途中で会社側から解約が可能なのは、下記のようなケースになります。
(1)やむを得ない事由があるとき:民法628条及び労働契約法17条1項‐やむを得ない事由に当てはまるかに関しては、個別の詳しい事情から全体的に班別されます。しかし、懲戒解雇に該当するような重大義務違反の事実が生じた時や天災事変で事業を引き続けることが難しくなった時などに限られています。
(2)破産したとき:民法631条
(3)片方に履行の遅滞があるとき:民法541条

有期労働契約は、契約で決められた期間に対して雇用の保障をすることを受けて契約を締結するものです。これを受け、この場合の解雇は期間の定めがない労働契約の解雇よりも「社会通念性・妥当性」に重点をおいて判断されます。このことから、この事例のように「態度不良」など事由からの解雇は、認められる可能性が低くなります。
なお、やむを得ない事由で解雇が可能になったとしても、その事由が会社側の過失から基因しているときは、損害賠償の支払いが要求されます。
解雇されなければ得るつもりであった「残りの期間に対する賃金」が賠償額数に当たると思われがちですが、実際は協議などで、期間に応じた賃金額の全額ではない一部の支払いで合意するケースが多くなります。
この事例は、対象の従業員に対して指導や教育訓練を行うなど、解雇回避の努力をしなければなりません。報告をしやすくする仕組みなどを導入することも要求される可能性があります。

関連記事

  1. 従業員が退職届をインターネットのメールで送りました。これは果たし…
  2. 従業員に、退職勧誘の形で解雇をしましたが、その従業員は後で失業手…
  3. 60歳の定期を迎えた従業員が、定年後も働きたいと言いかけました。…
  4. 従業員のミスによる解雇は、解雇の分類の中でどちらに含めばいいので…
  5. 論旨解雇の勧告をしましたが、従業員が応じません。この場合、懲戒解…
  6. 伝染性の病気にかかった従業員に1週間の自宅待機をさせ、自宅待機中…
  7. 最近入社した従業員が、すぐ休職をしてしまいました。うちの会社の休…
  8. 定年退職をする従業員の、正確な退職日がわかりません。就業規則にも…
2024年12月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

おすすめ記事

マイナンバーの利用目的の特定の事例としての源泉徴収票作成事務に、給与支払報告書や退職所得の特別徴収票も含まれますか?

マイナンバー法で、マイナンバーを用いることができる事務は限定的に規定されていますが、統一的な書式や次…

従業員が他の法人に出向又は転籍によって異動した場合、給与所得の源泉徴収票の提出につき、いずれの法人が個人番号関係事務実施者に当たりますか?

マイナンバーを記した源泉徴収票の提出義務者が個人番号関係事務実施者に当たります。源泉徴収票の提出義務…

入社時・源泉徴収票などの作成時・退職時の社員のマイナンバー、支払調書作成時の社員以外のマイナンバーを、それぞれどのように取り扱えばいいでしょうか?

入社時・源泉徴収票などの作成時・退職時の社員のマイナンバー、支払調書作成時の社員以外のマイナンバーに…

Q.年末調整の対象とされる給与について教えてください。

A.年末調整は、その年の最後に給与を払うときまでに「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している一定…

PAGE TOP