労働基準について

従業員が退職届を出しました。一応従業員に対する就業規則には秘密保持の規定を入れておきましたが、これが退職してからの従業員にも適用されるのかがいまいちわかりません。どのようになるのでしょうか。

就業規則は、退職した後の従業員までは摘要ができません。労働契約の中に入っているときも、その労働契約の解約と同時に効力が失われます。このことから、別枠で秘密保持契約を締結することがポイントとなります。この契約の不履行として、損害賠償の要求ができます。
もし、在職中に退職してからの秘密保持に対しても規定を置いた秘密保持契約を対象者それぞれに締結しているときは、退職時にまた締結しなおさなくてもかまいません。しかし、心理的な抑止効果を生じさせるためには、改めて秘密保持契約を締結した方が望ましいと思われます。
退職をするときにこの秘密保持契約の締結を拒む従業員が出る場合に備え、就業規則などに秘密星契約締結を拒否したときには、退職金の減額を行うなどの規定を置くこともいいでしょう。退職の不支給や減額は妥当な理由でなければ認められにくいですが、このような規定を置くと重要ルールであると従業員に認識させることになります。
なお、退職時に秘密保持契約の締結がなかったとしても、不正競争防止法上の営業秘密の要件に当てはまれば、損害賠償や信用回復の請求、差し止めが可能です。このための要件は、下記の3つになります。
(1)秘密として扱われ、管理されていること
(2)公然と広く知られていないもの
(3)営業上・技術上の有用な情報

常に秘密として管理し、客観的から見ても秘密であるという認識をさせることが可能な状況を構築しておくことが重要です。このような秘密が不正に利用された時は、損害賠償などの請求も可能です。
企業秘密は常に管理をきちんとし、従業員が安易に漏えいしたり持ち出したりしないように指導・教育をしておくことが望ましいです。

関連記事

  1. 育児休業中の従業員を解雇したいと思うのですが、人事担当者から「で…
  2. ギャンブルにはまって自己破産にまで至った従業員を懲戒解雇しようと…
  3. 休日に負傷して休職をすることになった従業員に対し、通常給与を支払…
  4. 従業員に費やされる研修の費用を、入社の研修を受けてすぐ退職する従…
  5. 60歳の定期を迎えた従業員が、定年後も働きたいと言いかけました。…
  6. 従業員のミスによる解雇は、解雇の分類の中でどちらに含めばいいので…
  7. 契約社員を雇いましたが、態度不良で契約期間が残っているのにもかか…
  8. 従業員を解雇させようと予告をしましたが、最後の話し合いで従業員か…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

おすすめ記事

マイナンバーの利用目的の特定の事例としての源泉徴収票作成事務に、給与支払報告書や退職所得の特別徴収票も含まれますか?

マイナンバー法で、マイナンバーを用いることができる事務は限定的に規定されていますが、統一的な書式や次…

従業員が他の法人に出向又は転籍によって異動した場合、給与所得の源泉徴収票の提出につき、いずれの法人が個人番号関係事務実施者に当たりますか?

マイナンバーを記した源泉徴収票の提出義務者が個人番号関係事務実施者に当たります。源泉徴収票の提出義務…

入社時・源泉徴収票などの作成時・退職時の社員のマイナンバー、支払調書作成時の社員以外のマイナンバーを、それぞれどのように取り扱えばいいでしょうか?

入社時・源泉徴収票などの作成時・退職時の社員のマイナンバー、支払調書作成時の社員以外のマイナンバーに…

Q.年末調整の対象とされる給与について教えてください。

A.年末調整は、その年の最後に給与を払うときまでに「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している一定…

PAGE TOP