給与は医院のために働いてくれたスタッフの方への報酬です。給与額や賞与額の支給額等の間違いはお互いの信頼感を損なうおそれもあり、不信感を抱かれる第一歩になる可能性があります。気持ちよく働いてもらうためにも、給与計算は締日を定めてから支給日まで余裕をもった間隔(10日以上)をとって計算しましょう。また、給与計算は月給や時給、交通費といった単純な金額の算定だけではなく、源泉所得税や医院の人数等によっては健康保険料や雇用保険料の徴収義務が給与支払い事務者に発生します。支給額によって徴収額も変化するので気を付けて計算しましょう。
所得税の計算の際には通常、原生徴収税額表(月額表)を使いますが、これには甲欄と乙欄があり、甲欄は扶養控除等(異動)申告書を提出している従業員、乙欄は扶養控除等(異動)申告書を提出していない従業員というように使い分けなければなりません。初めの給与計算を始める前に、まずスタッフの方々に扶養控除申告書を提出してもらいましょう。なお、この申告書は1事業所にしか提出できないので、複数箇所から給与を受け取っているスタッフの方は主たる事業所を確認して提出してもらいましょう。
スタッフの方がその労働の対価として支払いをうけるのは金銭だけでなく、通勤手当や昼食代、借り上げ社宅家賃、社員旅行なども現物給与として課税の対象になることがあるので、税理士と必ずご相談のうえで金額を決定するようにしましょう。